焼酎は、芋や米の他に麦やそば、紫蘇(しそ)など様々な原料を用いて造られている、原料由来の香りが特徴のアルコールです。
しかし 焼酎の特徴は、仕込みの際に用いる芋や米などの原料だけに限らず、麹や酵母の他、仕込み、蒸留、熟成などその工程によっても劇的に変わってきます。
今回は焼酎製造における発酵過程「仕込み」の特徴を解説していきます。
一般的な焼酎の仕込みについて
一般的な焼酎は、払出(1日)、製麴(2日)、1次仕込み(6日)、2次仕込み(15日)、蒸留(1日)、熟成(90日)、加水の工程を経て製造されます。ここでいう1次仕込み、2次仕込みの役割は麹に水と酵母を入れ発酵させる1次仕込みと、主原料を入れ発酵を進める2次仕込みに分けられ、どちらも発酵を進める工程になります。
※日数は蔵によります。
仕込み回数と用いられる原料
一般的な焼酎を造る場合、原料を用いる工程は「製麴」と「2次仕込み」の2工程になります。また、ほとんどの芋焼酎の麹は米を原料とした米麹を使っていますが、中には芋や大麦などを由来とした麹も珍しくはありません。
この 仕込み回数と原料によって、仕込みは変わってきます。
次に特徴的な仕込みを紹介していきます。
全量芋仕込み
前項でもお伝えしたように、芋焼酎の製造には一般的に米麹が用いられます。 全量芋仕込みはその名前の通り、芋を原料とした芋麹を発酵させ、1次もろみを作り、それに原料となる芋を加えて発酵させていく仕込みです。 サツマイモは水分が多く、そのまま麹の原料として用いるには腐敗しやすいので、麹用に用いる芋は乾燥するなど原料を加工する必要があり、原料に沿った加工法を理解している蔵でなければ「全量芋仕込み」の焼酎を造るのは難しいでしょう。全量芋仕込みは、芋の力強い香りや余韻が特徴だと言われています。
芋同様、全量大麦仕込みや、全量米仕込みなども存在します。
ちなみに弊社商品のあくがれブルーも全量大麦仕込みではありませんが、麹は大麦、2次仕込みの原料は麦、米、ひえ、あわ、きび、大豆の6穀で仕込んでいます。
どんぶり仕込み
どんぶり仕込みとは、麹・原料・酵母・水を甕や桶、タンクに入れて発酵させる方法です。(※原料の中に麹は含まれていません) 焼酎が現在の2次仕込みを行うようになったのは大正時代になってからであり、それまではこの麹・原料・酵母・水を入れて仕込んで発酵させる「どんぶり仕込み」が主流となっていました。 しかし当時の麹菌は黄麹しかなく、焼酎製造の環境では腐りやすく、製造のリスクがあり焼酎作りはなかなか安定しなかったため、2次仕込法が開発され、それが主流になりました。今では沖縄の泡盛を製造する上での仕込法として使用されています。
全麹仕込み
一般的な焼酎作りは原料から麹を作り、発酵させたもろみに原料をいれ、発酵させていきますが、全麹仕込みの場合、仕込みで用いる全ての原料が麹になります。どんぶり仕込みと混同されがちですが、決定的に違う点は下記2点です。
全麹仕込みで造られた焼酎は原料の甘みや風味が引き出されると言われています。
段仕込み
日本酒の醸造工程の一つで、 1次仕込みの際に3段階に分けて麹と原料を分けて加えていく仕込みです。 酵母に対して適応可能な環境変化を与えることで最終的なアルコール度数は1次仕込みの段階で20%を超えます。分ける3段階を初添(はつぞえ)・中添(なかぞえ)・留添(とめぞえ)と呼び、別名「三段仕込み」とも言われる。焼酎を造る場合、この後に2次仕込みを行うかそのまま蒸留を行うことで焼酎製造の過程になる。
まとめ
今回は、様々な焼酎の仕込み方法について解説しました。今まで2次仕込みしか知らなかった方は、他の仕込み方で製造された焼酎を飲んでみたくなりませんか?焼酎ライフを豊かにするためにもいろんな焼酎を飲んで香りの違いを楽しみましょう