2020年05月27日 焼酎製造工程

【焼酎の作り方④】焼酎造りにおける「二次仕込」について

一次仕込での発酵期間(6日間)が終了すると、「二次仕込」作業に進みます。二次仕込の工程は15日間になります。

 

 

 

 

二次仕込(にじしこみ)

 

 

一次仕込みで発酵させた一次もろみ(酒母)を、水と米と混ぜ合わせ発酵させ、二次もろみを作っていきます。米の量は麹を作った400kgに対して倍の800kg必要になります。定期的に櫂入れを行うものの、ここから蒸留までは発酵を見守っていく作業になります。

 

 

甕壷から一次もろみを出す準備をする

 

甕壷には冷却菅や、温度計などが設置されています。一次もろみを移動させる上で、まずはその器具を取り外す必要があります。画像は冷却菅をクレーンで引き上げているところです。

 

冷却菅が抜けると、そこに冷却菅があった名残が一次もろみの形でわかります。

 

 

 

水・一次もろみ・米混ぜ(みず・いちじもろみ・こめまぜ)

 

あくがれ蒸留所では、一次もろみを水と、蒸しあがった米とをステンレスタンク内で混ぜ合わせていきます。まずタンク内に水を張ります

 

水を張ったら、甕壷の中にある一次もろみをパイプを通して流し込みます。

 

一次もろみがタンク内の水に混ざっていく様子をFacebookにアップしました。

 

 

次に蒸しあがった米を入れて櫂入れを行っていきます。

 

一次もろみと米、水が混ざり合って発酵を始めており、米に蓋をされ行き場を失った炭酸ガスが櫂入れを行うたびに「ボコボコ」と溢れ出てきます。一次仕込みの倍ある量を櫂入れしていくので、一次仕込みの櫂入れとは重みが違い、体力勝負になります。櫂入れの作業は二次仕込み工程の15日間朝昼晩3回に分けて行います。

 

ちなみにタンクの内容量は6,783ℓあります。

 

 

 

 

ステンレスタンク内の状況

 

 

 

二次仕込が完了する15日間の記録を紹介していきます。

 

 

ステンレスタンク内1日目

 

最初の櫂入れ直後の写真です。混ぜることで一部のもろみが泡立っています。目標温度は29度です。この後15日間、少しずつ温度を落として発酵させていきます。

 

ステンレスタンク内2日目

 

見た目にはわかりづらいかもしれませんが、先日より泡は小さくなり、動きも活発ではなくなりました。匂いは相変わらず強く、日本酒のような香りが漂っています。温度は少しだけ下がってきました。先日目標は29度と記載しましたが、最終目標として15日間かけてゆっくりと26度付近まで温度を下げていきます。炭酸ガスが少なくなってくると匂いもおさまって行くので、明日以降匂いは少し落ち着きます。

 

 

ステンレスタンク3日目

 

本日は一次仕込みの際にも行なった酸度の分析を行いました。タンク内の動きも落ち着き、温度も安定、匂いは少し変化して甘いバナナのような、日本酒のような匂いが出ています。順調に発酵されています。

 

 

ステンレスタンク4日目

 

特筆すべき変更点は特にありません。少しだけ温度が下がりましたが、行ったり来たりで昨日との変化はほとんどありません、ガスの出が少しだけ少なくなったかなと思う程度です。

 

ステンレスタンク5日目

 

先日と変わりはありません。問題点は特になくゆっくり熟成が進んでいます。先日同様フルーティな香りが漂っております。

 

ステンレスタンク6日目

 

櫂入れをした時の米の重みはほとんど感じません。もろみが残ってはいますが、サラサラとした状態であり、二次仕込みを始めた初日と比べるとほぼ水のような感覚です。

 

ステンレスタンク7日目

 

アルコール度数の計測を行いました。現在のアルコール度数は17.5度。一次仕込の計測時よりも上がっています。タンク内の温度も徐々に下がっており現在は26.8~27度を行き来している状態です。

 

ステンレスタンク8日目

 

タンク内のもろみは櫂入れの棒で触れても、重みを感じない。水を混ぜているのと同じような感触です。温度も下がって本日は26.2度。順調に発酵が進んでいます。

 

蒸留器試運転&洗浄(9日目)

 

6月9日の蒸留工程に向けて、蒸留器内の洗浄と試運転を行なっています。

 

 

蒸留器試運転&洗浄(10日目)

 

基本的に洗浄は蒸留後と、新しく仕込む際の蒸留前に各2日間ほど取って行なっています。

洗っていない場合匂いがお酒につくこともあるので、あくがれ蒸留所では念入りに行う作業の一つでもあります。

今回蒸留後に洗浄前の蒸留器内の様子を掲載する予定なので、ビフォーアフターで確認できると思います。

 

ステンレスタンク(最終日)

 

ステンレスタンク内、もろみが沈殿して、水分と分離されています。ところどころ水面に米が浮いている状態です。温度も24.6度。蒸留前日のタンク内の状態です。

 

 

 

 

焼酎造りにおける「二次仕込」のまとめ

 

 

二次仕込はもろみ酸度や、アルコールの度数を分析しながら、一次仕込以上にゆっくりじっくり発酵させ、15日間の発酵が終了すると、出来上がった二次もろみは蒸留の工程へすすみます。

 

 

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この記事を書いた蔵人
yusuke kuroki
大学卒業後、広告業界に20年。焼酎が好きであくがれ蒸留所に参加。現在はWEB周りの管理やコンテンツ作り、SNSをメインに担当。あくがれ蒸留所の好きな焼酎は「東郷大地の夢」
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