なぜ宮崎だけに20度の焼酎が多いのか、その理由を解説します。

投稿 : 2020年07月03日 焼酎の知識

「 焼酎のアルコール度数は25度 」

 

 

そう認識されてる方は多いのではないでしょうか。しかし味わいと香り同様に、アルコール度数も焼酎によりけりです。

 

 

実はあくがれ蒸留所のある宮崎県ではシェアの大半が20と言っても過言ではありません。

 

 

弊社のラインナップでも

 

 

あくがれブルー

 

東郷町(日向市)限定あくがれ ※紙パック

 

 

上記2つはアルコール度数が20度の商品です。

 

 

焼酎造りの盛んな九州地方において、鹿児島も福岡も熊本も主流は25度、ではなぜ宮崎と大分の一部だけに20度の文化があるのでしょうか、今回は20度焼酎の歴史を紹介します。

 

 

アルコール度数20度と25度、元は同じお酒

 

 

ご存知の方は何を今更かと思うかもしれません。蒸留したばかりの焼酎は原料にもよりますが、芋焼酎の場合だいたいアルコール度数は36~38度であり、この原酒に加水しながら25度に、20度に度数を調整し商品化していきます。酒蔵や酒造メーカーさんによっては同じ商品名で20度と25度のお酒が存在している商品も存在します。もちろんお酒によっては別の焼酎をブレンドして風味を変えているものもありますが、基本的には元の焼酎は同じ焼酎であることが多いです。

 

 

宮崎では通じる「き」という飲み方

 

 

居酒屋などで焼酎を頼むと、「飲み方はどうなさいますか?」と聞かれると思いますが

 

 

宮崎では「き、でお願いします。」で、通用します。

 

 

ではこの「き」とはどんな飲み方かというと、ストレートのことです。

 

 

ストレート  生  生(き)  き

 

 

と言われています。

 

 

宮崎では、焼酎を ストレート(き)、やロックで飲む人が多いです。

 

 

下記は南九州酒販株式会社さんが、実施したアンケートです。

 

※出典元:全国の20歳~59歳で月に1回以上焼酎を飲む男女1,000名を対象として集計した「本格焼酎に関する調査2015

 

 

これを見ると、ストレートで飲む人の割合は16.7%ですが、下記の自社調査したデータをご確認ください。

 

 

 

|

(き)

全体73%9%6%4%3%1%4%

※:自社調べ(宮崎県内の飲食店100店舗分のデータに基づく)

 

 

この調査は、その居酒屋で一番人気の焼酎の飲み方をヒアリングしています。これを見るといかに宮崎県民が「き」で飲んでいるかがわかると思います。しかし、宮崎ではなぜ焼酎を割って飲まないのか、そうなった背景にはもちろん理由があります。

 

 

焼酎20度の歴史

 

 

第二次世界大戦直後

 

 

昭和初期から戦後の酒税法では、焼酎の場合、アルコール度数が25度以上のものしか製造が許可されていませんでした。

 

 

今も同じですが、酒税はアルコール度数によって納める税金が変わってきます。アルコール度数が高ければ高いほど、税金も高くなっていくのです。

※:出典元:国税庁 酒税率一覧表

 

 

当時から国は、度数の高い(25度以上)お酒を販売させて、納税させることで財源を安定させていました。

 

 

しかし、戦後の貧しい国民は高いお金を出して焼酎を飲むことはできません。敗戦後は配給制度もなくなってしまい、これまで自宅でお酒の醸造を行ってきた人もそれを制限されてしまいました。そこで生まれたのが「密造焼酎」でした。

 

 

酒税法改正

 

 

「お酒を飲みたいけど高くて購入できない!!」そんなジレンマから人々は違法だと理解した上で密造酒を作っていきました。安価で手に入る焼酎が生まれたのは良かったのかもしれませんが、国から許認可を受けていない素人が作る焼酎なので質が悪く、中毒性があったり、アルコール度数も20度のものが多かったと言われています。

 

 

そして密造酒の流行に反比例して国の税収は落ち込んでいきます。そこで密造酒の対策として酒税法が改正されます。「酒類特別措置法」により、国から酒造許可を受けている正規の業者も25度以下の焼酎を作ることを許可されるようになりました。

 

 

この法改正により、アルコール度数が低く、比較的安価なお酒が人々に行き渡ることによって、密造業者は減り、正規の業者の技術力向上に繋がりました。

 

 

こう聞くと、20度の文化はわかるけど、なぜそれが宮崎・大分の一部の文化になっているのかは納得できないところですよね。実は20度が主流になった理由は、密造業者の拠点となっていた場所が宮崎であったこと。そして、密造業者に対しての対抗策として密造酒の多い宮崎で国が自ら20度の焼酎を作らせた(特別に宮崎の焼酎蔵に許可した)経緯がありました。

※出典元:宮崎日日新聞「連載企画 海を越えて 奄美出身者たちの50年 より(中)闇焼酎 力合わせ貧困しのぐ」

 

 

つまり宮崎は20度の密造酒を生んだ場所でもあり、その密造酒に対抗した正規の焼酎が作られた場所でもあります。

 

 

25度の焼酎を水割りやロックで楽しむなら20度がオススメです

 

 

焼酎の水割り・お湯割を作る時、オススメは軟水?硬水? でもお伝えしましたが、割水としてその焼酎に合う水は、その焼酎を仕込む際、割る際に使われた水が一番相性のいい水と言われています。25度の焼酎を水で割ったり、ロックで割って飲む場合は、その場で割るよりも、水の相性もいい、口当たりの良い20度の前割り焼酎をお勧めします。

 

 

まとめ

 

 

今回はアルコール度数20度の焼酎と宮崎の関係についてお伝えしました。歴史を知るとお酒の味に深みを感じ、違った楽しみ方も出来ます。

 

20度のお酒も、今色々な酒蔵から様々なラインナップが出ています。「20度のお酒を飲んだことがない」という方も、これを機に飲んでみてはいかがでしょうか

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