2020年06月16日 焼酎の知識

焼酎の賞味期限と保存方法。開封後に注意するべきこと

 

あくがれ蒸留所のお問い合わせや、SNSDMでよくこんな意見をいただきます。

 

 

  • 「焼酎に賞味期限はありますか?」
  • 「開けてない焼酎があるんだけど飲める?」
  • 「焼酎ってどう保存しておけばいいの?」

 

 

など、焼酎の取り扱い方法についての問い合わせを多くいただいています。焼酎を買ってみたはいいけど、夏などは特に気温も湿度も上がります。そのため管理方法などが気になる方もいらっしゃいますよね。

 

 

今回は焼酎の賞味期限、保存方法について紹介します。

 

 

 

焼酎の賞味期限について

 

 

 

まず焼酎の賞味期限からお伝えしていきます。結論から先にお伝えすると、焼酎に賞味期限はありません。その他泡盛やウイスキー、ブランデー、ラム、ウォッカなどのお酒に関しても賞味期限は存在しません。

 

 

その理由は、これらすべてが蒸留酒だからです。

 

 

蒸留酒は蒸留の過程で不純物が取り除かれ、アルコール度数の高い原酒が造られます。ほとんどの焼酎が原酒に加水して造られていますが、そもそもアルコール度数の高いお酒に雑菌が繁殖することはまずありません。そのため焼酎は品質が劣化しにくいので、賞味期限が設けられておりません。

 

 

焼酎のラベルにある日付について

 

焼酎のラベルに日付があるお酒見たことありませんか?

 

 

ご存知の方も多いと思いますが、この日付は「瓶詰めをした日」です。酒蔵では麹からもろみを作り、仕込みを行い蒸留します。その後味が落ち着くまで寝かせ、加水しアルコール度数を調整して瓶詰めを行います。つまり瓶詰めをした日=商品として確定した日となります。賞味期限では無いのでお間違えのないようご注意ください。

 

 

また、最近では「瓶詰めをした日」の記載がない焼酎も多く見られます。傾向として大手酒蔵さんは商品ラインナップも製造する数も多いことから管理する上で記載していると思うのですが、小さな酒蔵の場合記載していないところも少なくありません(もちろん小さな酒蔵でも記載している酒蔵さんは沢山あります)。

 

 

弊社の商品も、記載があるものもあれば、ないものもあります。記載の有無は「瓶詰め日と賞味期限とを間違われやすい」という理由や「デザイン的に邪魔になる」などの理由もあり、この辺りは酒蔵によっても考え方が異なるところだと思います。「記載がないから危険なお酒」という訳ではなく、そもそも記載しなければいけないものではないのです。

 

 

 

開封後に注意すること

 

賞味期限はありませんが、抜栓後、焼酎は空気に触れて、少しずつ焼酎は酸化していきます。また、日光にあたると焼酎に含まれている成分が分解され品質が劣化していきます。しかし日本酒やワインほど劇的に味が変わってしまうわけではありません。しっかりとボトルキャップを閉めて日光の当たらない場所で保管しましょう。

 

 

数年前のものでも大丈夫?

 

開封していなければもちろん、開封していても品質は劣化していると思いますが飲めないものではありません(極端に雑菌の繁殖しやすい環境でない限り)。匂いが違ったり色、味に違和感がある場合はやめておいたほうがいいかもしれません。また、時間が経過した焼酎には「フーゼル油」という蒸留酒を造った際に分留した油分が浮いている時があります。このフーゼル油、本格焼酎の旨み成分の元と知られていますが、同時に油臭を発生します。好みの問題ですので取り除いていただいても、瓶を軽く振って馴染ませてもどちらでも問題はありません。

 

 

 

焼酎の保存方法について

 

 

 

先ほど「開封後に気をつけること」でも記載しましたが、焼酎の保存方法について詳しく説明していきます。

 

 

日光や室内光を避ける

 

焼酎は強い光に当たってしまうと、温度が上昇して品質が劣化してしまいます。焼酎に使われている瓶の色に、黒や茶色が多いのも日光の遮光性を考えての配色です。保存する場合は日光の当たらない場所を選んで保存したり、瓶の上に布や新聞紙を巻いて光が入らないようにすることが大事です。自然光はもとより、室内の光も影響がない訳ではないので、気になる方は日の当たらないところで保存してくださいね。

 

 

空気に触れない

 

焼酎を開けると空気が焼酎に触れ、その時点から品質の劣化は始まります。開けて空気と触れるのは当然ですし、開封後すぐに蓋をすることで品質の変化は防ぐことができます。一度開けた焼酎をその後密閉していた場合、半年から1.2年経っても違いがわからないケースも少なくありません。しかし、そのまま蓋をしないで放置するのは問題です。一度に飲みきれない場合、開けたら閉めるを心がけましょう。

 

 

冷蔵庫に入れない

 

温度が高くなってしまうのを防ぐのはいいことですが、冷蔵庫に入れ、冷やしすぎるのもよくありません。品質に問題はありませんが、冷やすと旨み成分が固まって「オリ」になってしまい、雑味が強くなる傾向があります。好みにもよりますが、本来の焼酎の味を味わいたい場合、冷やしすぎるのも

 

 

 

しっかり管理するならワインセラー

 

 

 

日光・温度湿度をしっかりと管理するのであれば温度を一定に保ってくれるワインセラーはオススメです。弊社でも蔵見学にお越しいただいた、お客様の試飲用焼酎や、弊社スタッフの勉強用の試飲用焼酎はワインセラーで保存しています。弊社の設定温度は12度です。

 

 

 

まとめ

 

 

 

焼酎は基本的に、蒸留した後に発生するフーゼル油を排除したり、焼酎そのものの風味を落ち着かせるために3ヶ月を目安に寝かせています。味が落ち着いた原酒に加水したものが、ご自宅で飲まれている焼酎になります。今回は焼酎の保存方法として気をつける点など紹介しました。ここまで読まれた方は、焼酎が外的要因を受けにくい劣化に強いお酒だということをわかっていただけたかと思います。特にお値段が高い焼酎や、入手困難な焼酎、大事な焼酎はしっかり保存してくださいね。

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この記事を書いた蔵人
yusuke kuroki
大学卒業後、広告業界に20年。焼酎が好きであくがれ蒸留所に参加。現在はWEB周りの管理やコンテンツ作り、SNSをメインに担当。あくがれ蒸留所の好きな焼酎は「東郷大地の夢」
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