「納豆」はお好きですか?
「お酒にみられる血栓・心筋梗塞等の予防効果と、中でも焼酎をおすすめする理由」でも紹介したように、納豆には、血液をサラサラにするナットウキナーゼという物質が含まれています。そして焼酎にも同じように血液溶解するウロキナーゼという成分が含まれています。
どちらも血栓や心筋梗塞の予防になり、効果がある組み合わせの焼酎と納豆。しかし焼酎の製造時期に関しては、おそらく弊社を含む全ての酒蔵で食べることも持ち込むこともNGとされています。
今回は「なぜお酒の製造中に納豆がNGなのか」その理由を紹介します。
酒蔵が納豆を持ち込みNGな理由
ご存知の方も多いと思いますが、焼酎を始め、多くのお酒は麹を発酵させもろみを作る工程があります。そもそも麹は穀物に麹菌を繁殖させて作るものであり、麹菌がうまく繁殖してこそ、いいもろみができ、お酒になっていくんですが、その段階において別の菌が繁殖してしまった場合、麹がうまく繁殖することができません。
納豆菌がNGな理由
酒蔵がデリケートな場所ということはお分りいただけたと思います。「でもなぜ納豆菌だけ?菌を持っているのは納豆菌だけじゃないし、人間なんて菌の塊じゃないか」という疑問が次に出てくると思います。納豆菌がNGな理由は単純に納豆の菌は強いからです。
納豆菌は100度のお湯で熱湯消毒しても、石鹸で洗っても殺菌することができません。麹菌の発酵する舞台である麹米に納豆菌が繁殖してしまった場合、麹は納豆のようにぬるぬるとしたスベリ菌と呼ばれる菌に変化してしまい、いいお酒を作るもろみになることはありません。
納豆以外の菌は大丈夫?
人間には20~30の常在菌が存在しており、数にすると10億個とも言われています。その中でもよく手に取る機会のある食べ物ではチーズやヨーグルト、漬物にも入っている乳酸菌、その他発酵食品に関しても酒蔵では注意が必要です。
女性が酒蔵出入り禁止だった理由も菌が原因?
酒蔵が「女人禁制」だった時代、その理由はいくつか存在します。「酒造りは危険と隣り合わせだから女性を守るため」という理由もあれば「男性社会の中でハラスメントを受けないため」という理由もありました。また「女性の月経時に酵母の発芽を抑える毒素が発生するため」という菌がらみの理由もあり、真意はわかりませんが、昔から菌に関して神経質になって酒造りに取り組んでいたことはわかります。
あくがれ蒸留所の雑菌対応について
焼酎の製造中はもちろん、常日頃から気をつけている弊社酒蔵の衛生管理ルールを紹介します。
徹底した7S活動
「焼酎会社における7S活動のとりくみを紹介します」でも紹介したように、弊社では7S活動を取り入れて、遵守しております。特に
- 清掃(掃除)ゴミ・チリ・ホコリ汚れなし
- 清潔(維持)整理 整頓 清掃を継続する。
- 洗浄(効果)機械・設備等の汚れを洗い清める
- 殺菌(除去)目に見えない微生物リスクをゼロに
の項目は、スタッフ含めアルバイト全員が、特に注意を払っている点です。
区画毎のアルコール除菌
弊社では何をするにしても徹底したアルコール除菌を心がけています。弊社の仕事構造上、執務スペースで仕事をした人間が、お酒や工事のタンクなどの近くを動き回ることは少なくありません。だからこそ細心の注意を図って区画毎にアルコール除菌が備え付けられています。
麹室の前
従業員用勝手口
また、部屋は定期的にUV殺菌ライトにて、ダニ・ウイルス駆除、消毒消臭を行なっています。
スタッフの食事制限
焼酎製造中は当時はもちろん、スタッフも納豆禁止令が発動します。弊社の杜氏に限っては10年近く納豆を口にしていません。チーズやヨーグルトなどの乳製品に関しても同様、なるべく口にしない、接しないを心がけています。そのため、蔵見学の際にお食事内容をお聞かせいただくこともありますのでご了承ください。
まとめ
世界的なウイルス流行により、ウイルスに関する意識が変わっている昨今、蔵見学にいらっしゃる方にも気を払っていただく必要があると考え、弊社では今後蔵見学の方に、来客用簡易白衣セット(白衣とキャップ、マスクの3点セット)を着用し、見学していただく予定です(コロナウイルスの医療従事者を優先で販売を行っているため、手元に届き次第になります)。
これからの季節、暑いと思われるかもしれませんが危機管理のための施策となりますのでお許しください。
※追記(6/22)
来客・見学用着衣 4点セットが届きました