気温も少しずつ暖かくなり、あくがれ蒸留所の近くでは桜の花がポツポツと咲き始めました。本来ならこの時期は、「花見をしながら一杯」が似合う時期ですが、まん延防止等重点措置が解除されたと言えど、コロナ禍であることは変わりなく、みんなで集まってワイワイという雰囲気ではないかもしれません。ではコロナ禍においてどう花見を楽しむべきでしょうか?
花見酒の歴史
実は花見の文化は奈良時代から。貴族が中国から伝来した梅の花を好み観賞する風習があったようです。「万葉集」には桜を詠んだ歌も残されていたことから、花見で桜を見ることがダメだったというわけではありません。ただ現代のように花見=桜のイメージはなく、 奈良時代では花見と言えば梅が主流でした。
平安時代に入ると遣唐使が廃止(894年:白紙に戻そう遣唐使の覚え方でもおなじみですね)されたことにより、このことを機に日本では、 中国から伝来した梅ではなく日本人にとって神聖な木だと扱われていた「桜」が花見の主流に なります。平安時代中期に書かれた「源氏物語」にも花見酒(桜の下で宴を開催している様子)は描かれています。
出典:源氏物語図屏風(絵合・胡蝶)
本来の花見酒の意味合い
江戸時代以降には現在のようなイベントとして定着してきた花見ですが、貴族とは違った目的で農民は花見を行っていました。春が始まるこの時期は作物を育て始める時期でもあり、厄を払う意味合いから野や山へ出向いて花を愛でる「野あそび」「山遊び」の延長から神聖な木である桜を愛でて五穀豊穣を願ったと言われていることもあり、 「厄払い」「神頼み」など宗教的な理由があった と言われています。
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コロナ禍における花見酒の楽しみ方
こうしてみると時代とともに花や、その意味合いも変わってきた「花見酒」。そう考えると花見のルール自体あってないようなもので、最近の花見はどちらかというと「理由をつけての飲み会」という立ち位置でしかなく(それが悪いわけではありませんよ)、こうしたルーツを知ると、花見という文化も変わってきたと感じます。
自宅で花見や、蜜を避けて少人数での花見、リモートで酒を飲みながらの花見、こういった花見に関する歴史を知りながらお酒を飲むこともまた花見酒と言えるのかもしれません。