九州に焼酎酒蔵が多い理由と、地域毎の特徴について

投稿 : 2020年06月23日 焼酎の知識

九州には焼酎酒蔵が多い!

 

 

異論の余地はありません。国税庁の発表している「平成30年度 都道府県別の製造免許場(単式蒸留焼酎)数」(5P)を見ていただければ明らかです。

 

 

 

その数、382(九州の焼酎製造免許場数) / 854(全国の焼酎製造免許場数)。つまり全国にある焼酎製造免許場の45%は九州に存在します。

 

 

では、なぜ九州には焼酎酒蔵が多いのか、その理由にあたる説は実は3つ存在しています。

 

 

今回はその3つの説と、主原料別人気焼酎、九州の各県(福岡/佐賀/長崎/大分/熊本/宮崎/鹿児島/沖縄)それぞれの焼酎の消費量について紹介していきます。

 

 

九州に酒蔵が多い理由

 

 

気候による向き不向きの説

 

日本には元来「日本酒」というお酒が存在します。日本各地で作られる日本酒は地域毎に味も異なり、その土地土地に沿った特徴があります。では九州で日本酒が少ない理由はなぜでしょうか?先ほどの表で見ると、日本酒(清酒)を製造している免許場数は172(九州の清酒製造免許場数) / 1740(全国の清酒製造免許場数)。全国からして九州には10%も存在しません。

 

 

その理由は気温にあります。

 

 

日本酒も焼酎も製造の過程で「麹」を元に原料を発酵させ、もろみを作っていきます。日本酒に用いられる麹の大半は「黄麹」で、黄麹は温度が高いと発酵がうまく進みません。そこで九州地方では黄麹を発酵できない暖かい地方でも発酵できる「黒麹」が使われるようになりました。黄麹に比べ黒麹はクエン酸を発生することからもろみの腐敗を防ぐことができ、黄麹の発酵に苦戦しお酒を作れなかった九州地方ですが、黒麹の研究によって安定してお酒を作ることができるようになりました。

 

 

余談ですが現在はしっかり温度管理をすることで九州地方で黄麹を使って作られた焼酎も存在します。弊社の商品では「あくがれブルー」がそれにあたり、麹は黄麹と黒麹を混ぜ合わせて作っています。

 

 

また、日本酒は体を温める効果があり、寒い地方で重宝されていたのに対し、焼酎は逆に体を冷やす効果があり、暑い地方で人気だったという理由もあります。

 

 

原材料の産地説

 

 

焼酎の原材料として多く知られているのは芋・麦・米・そばなどがありますが、国税局の主原料別の出数量を見ると1位が芋、2位が麦、3位が米となっています。詳しくはこちらで確認することができます。

 

 

 

 

図で見るとわかる通り、芋焼酎が根強い人気です。弊社も一番人気は芋焼酎であり「日向あくがれ黒麹仕込み」と「日向あくがれ白麹仕込み」がメインのラインナップとなります。

 

では焼酎に使われる「芋」とはどんな芋かご存知ですか?

 

答えはサツマイモ。逆説的な話になってしまいますが、芋焼酎の風味はサツマイモの風味であり、芋焼酎=サツマイモと認識してもいいでしょう。ちなみに焼酎はサツマイモ以外の芋でもピーマンやかぼちゃ、糖があるほとんどの穀物で作ることができます。

 

 

しかし一重にサツマイモと言っても黄金千貫、シロユタカ、ジョイホワイト、紅さつま、金時芋、紫芋、安納芋、大地の夢などなど、焼酎造りに使われるサツマイモの品種は40種類以上もあると言われています。

 

 

ここまで説明すればわかると思いますが、九州はサツマイモの生産量(収穫量)が多く、トップの鹿児島は全国の35%ものシェアを持ち、10位までに宮崎(4位)、熊本(6位)、大分(8位)と3県がランクインし、3県合わせると50%のシェアになります。ちなみに九州の8県のランキングは次の通りです。

 

 

都道府県割合順位
鹿児島34.9%1位
宮崎11.2%4位
熊本2.8%6位
大分0.9%8位
長崎0.6%12位
沖縄0.5%15位
福岡0.3%26位
佐賀0.2%31位

 

 

これだけ原料が揃っていれば、焼酎が作りやすい環境であるということは明確な理由になりますね。

 

 

焼酎の伝達ルート説

 

 

日本の焼酎の起源は正確には分かっていませんが、ルートは3つあったと言われています。

 

 

  • タイから琉球(沖縄)経由のルート 泡盛(有力説)
  • 中国から壱岐(長崎)経由のルート 蒸留酒
  • 中国から倭漢(海賊)が伝えたルート 

 

 

国内の文献記録で確認できる限り、少なくとも16世紀には焼酎が作られていたとみられており、明(中国)からの琉球(沖縄)への使者、陳侃によって記録された文献「使琉球録」によると、1534年にタイから琉球にもたらされたことが記されていて、タイから琉球へのルートで伝達された説が有力と言われています。

 

 

九州の焼酎消費量について

 

 

焼酎の消費量において九州地方がいかに消費しているかをお伝えすると、年間の全国焼酎消費量は「8.16リットル/成人1人あたり」と言われています。10位までに7県が、17位までに九州8県が全てランクインしており、その全ての件で平均値を上回っています。

 

 

都道府県20歳以上1人あたりの消費割合順位
鹿児島24.45ℓ1位
宮崎20.44ℓ2位
沖縄14.1ℓ3位
大分13.27ℓ4位
熊本10.93ℓ5位
長崎10.22ℓ7位
福岡9.99ℓ9位
佐賀8.57ℓ17位

 

 

まとめ

 

 

今回は焼酎のルーツを元に、焼酎に関する様々なデータについて紹介しました。「何が焼酎の正確なルーツなのか」は分かっていません、しかしその全てに信憑性があることから、全ての要素で九州(主に南九州)に焼酎が根付くのは必然だった。ということかもしれません。お酒に関する歴史や原料、消費など、様々なことを考えながらお酒を飲むのも、また違った側面から焼酎を評価できると思いますよ。

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